柔術ノート

用語集

レッスンに登場した専門用語 56 語。一般的な意味に加えて、この道場での呼び方・使われ方(緑の行)を併記。

ポジション

クローズドガードClosed Guard

下になった側が両足を相手の腰の後ろで組んでロックするガード。下からでも十分に攻撃できる、柔術の出発点となるポジション。

この道場では「クロスガード」「クロス」と呼ばれる。「クロスは足」=足でロックすること。
▶ 動画で確認する
ハーフガードHalf Guard

相手の片足だけを自分の両足で絡んだ状態。足2本で抱えるクローズドに対し1本なので「ハーフ」。現代柔術では強力な攻撃の起点。

第21回から本格導入。「ハーフ」と略される。生徒は「ハーフの人」と適性診断された。
▶ 動画で確認する
マウントMount

相手の胴体に馬乗りになるポジション。攻撃は自由、相手は防戦一方になる最有利ポジションのひとつ。ただし焦ると返されやすい。

「クロスマウント」とも呼ばれる。「キープ最優先、攻めは引き出しの範囲だけ」が原則。
▶ 動画で確認する
サイドコントロールSide Control

相手の横から胸を合わせて抑え込むポジション。柔道の横四方固めに相当。

「サイドマウント」「サイド」と呼ばれる。マウント攻撃が崩れたときの移行先。
▶ 動画で確認する
バック(バックコントロール)Back Control

相手の背後に付き、両足のフックで密着したポジション。相手はこちらが見えないため最も攻撃有利。

ハーフガードのアンダーフックからのバックテイクで頻出。
▶ 動画で確認する
ハイガードHigh Guard

クローズドガードの足の位置を相手の腰でなく背中の高い位置(肩甲骨寄り)に上げた形。相手の姿勢を強く崩せる。

第10回で「ハイガードには専用のブレイク(ブレイク3)がある」として登場。
▶ 動画で確認する
S字マウントS-Mount

マウントの足を「S」の字に組み替えた形。相手の腕を隔離でき、腕十字への入り口になる。

「右足をS字にするだけ」=マウントから腕十字への足さばき(第16回)。
▶ 動画で確認する

サブミッション

腕十字(アームバー)Armbar/腕ひしぎ十字固め

相手の伸ばした腕を両脚で挟み、腰を支点に肘を反らせて極める代表的な関節技。

クローズドガード・マウント両方から反復。「相手の腕と90度」「引き上げたら握りを直さない」。
▶ 動画で確認する
三角絞めTriangle Choke

両脚で相手の首と片腕を三角形に挟み、相手自身の肩で頸動脈を圧迫する絞め技。

相手が押してきたときの選択肢。「膝裏に足の甲」で脚をロック。
▶ 動画で確認する
十字絞めCross Collar Choke/十文字絞め

両手を交差して相手の襟を深く握り、手首を返して絞める道着ならではの絞め技。

攻撃システムのハブ。「全部十字絞めから」。マウントでは「国民健康保険」(皆が持つべき基本)と比喩された。
▶ 動画で確認する
アメリカーナAmericana / Keylock

相手の腕を「4の字」に組んでマットに押さえ、肩関節を極める技。主にマウントやサイドから。

十字絞めが防がれたときの第二選択。「極めはゆっくり」。
▶ 動画で確認する
キムラKimura

相手の手首を掴み「4の字」で肩を極める関節技。柔道家・木村政彦の名に由来する世界共通の呼称。

サイドで相手がオーバーフックしてきたときの返し(第19回)。
▶ 動画で確認する
チョークスリーパーRear Naked Choke(裸絞め)

バックから腕を相手の首に巻き付けて絞める、道着に依存しない絞め技。

バックテイク→チョークの流れで登場(第18回)。
▶ 動画で確認する
ショルダーロックShoulder Lock

肩関節を固める技の総称。

ドリルの号令で登場。第25回では「肩で相手を押さえ込む圧のかけ方」の意味でも使われた。
▶ 動画で確認する
V十字V1 アームロック(推定)

腕をV字に曲げて極める関節技(からの推定)。

アンダーフックからの選択肢として言及(第19回)。
▶ 動画で確認する
足関節(フットロック)Foot Lock

足首やアキレス腱を極める関節技の総称。

「ちょっと危ないから初心者はあまり攻めてはいけない」と釘を刺された(第7回)。
▶ 動画で確認する

スイープ・テイクダウン

スイープSweep

下のポジションから相手をひっくり返して自分が上を取ること。ポイント制の試合では2点。

「リバース」「テイクダウン」とも言い換えられた(第21回)。
▶ 動画で確認する
ヒップバンプスイープHip Bump Sweep

クローズドガードから起き上がり、腰を相手にぶつけて横に倒すスイープ。

では「ヒップスロー」等と聞き間違い。距離が空いたときの選択肢。広背筋の引く力が土台。
▶ 動画で確認する
潜りスイープもぐりスイープ

ハーフガードから相手の下に潜り込んでテコで返すスイープ。

ハーフガード・ボトム3大攻撃の筆頭。「潜る前に足を組む」「離れたら終わり」。
▶ 動画で確認する
車輪スイープ(推定名称)

体を車輪のように回して相手を返すスイープ(第21回、推定)。

「目を瞑らない」「理合い4つの繋がり」の教材になった技。
▶ 動画で確認する
バックテイクBack Take

相手の背後のポジションを取ること。

アンダーフックから「乗らずに倒れ込んで」取るのがこの道場の教え。
▶ 動画で確認する
ダブルレッグ(両足タックル)Double Leg Takedown

相手の両足を抱えて倒すテイクダウン。レスリング由来。

ハーフガードのアンダーフックから派生する第三の選択肢(第22回)。
▶ 動画で確認する

トップの技術

パスガードGuard Pass

相手のガード(足のバリア)を越えて、サイドやマウントなど有利なポジションに進むこと。

「ブレイク→パス→ポジション」の3工程で整理された(第24回)。
▶ 動画で確認する
ガードブレイクGuard Break

相手のガードのロックを解除する(開かせる)こと。パスガードの前段階。

クロスガードブレイク1(立ち)・2(脇パンチ)・3(ハイガード用)と番号で体系化。
▶ 動画で確認する
脇パンチわきパンチ

相手の脇の下のくぼみに拳を差し込んで上半身を制する、この道場のブレイク2の起点動作。

第10回で導入。
腸骨(グリップ)ちょうこつ

骨盤の左右に張り出た骨。ここを掴む・押さえることで相手の腰の動きとアンダーフックを封じる。

ハーフガードブレイクのコントロール3点セットの1つ(腸骨+ラペラ+枕)。では「胸骨」「長ホールド」等に聞き間違い。
ラペラLapel(道着の下襟)

道着の襟の下側の部分。掴んで引き出すことで相手の動き(潜り)を封じる道具になる。

ハーフガードブレイク1・2で潜り防止に使う。ブレイク3では省略(第25回)。
枕(クロスフェイス)まくら / Crossface

相手の首の下に腕を通して肩を掴み、顔の向きをコントロールする抑え。顔が向けない方向には体も動けない。

第24回で「枕」という正式名称(道場呼称)として紹介。ハーフガードブレイクの要。
▶ 動画で確認する

基本ムーブ・身体操作

エビ(ヒップエスケープ)Shrimp / Hip Escape

横向きで足を蹴って腰を後ろに引き、相手との間にスペースを作る最重要基本ムーブ。

準備運動から実戦まで毎回登場。「お尻を横に出して膝と相手の間にスペース」。
▶ 動画で確認する
ブリッジBridge

仰向けから腰を高く突き上げる基礎運動。相手を浮かせる・返す力の源。

「尻・もも・ふくらはぎで上げる」。かかとをお尻に引き付けてから。
▶ 動画で確認する
肩ブリッジ(ウパ)Upa

片肩を支点にしたブリッジ。マウントエスケープの起点。

マウントエスケープ3種セットの1つ目。第17回で本格導入。
▶ 動画で確認する
膝スイッチひざスイッチ

片膝立ちから膝の向きを素早く切り替えてベース(土台)を保つ基礎動作。

マウントで相手がエスケープしてきたときの「上の対応」で使う(第18〜20回)。
フレームFrame

肘から先の骨格を使って相手との間に作る「つっかえ棒」。筋力でなく骨で距離を保つ防御構造。

ハーフガードの劣勢→攻勢の転換で「半身フレーム」として登場(第21回)。
▶ 動画で確認する
振り子(ペンデュラム)Pendulum

腹筋で体を振り子のように振って勢いを作る身体操作。

第6回のプル練習で登場。
腰切りこしきり / Hip Switch

座った状態で腰の向きを素早く切り替える動作・補強運動。

第25回で補強運動として導入(下/上)。
つま先立ち

ガードブレイクなどで踵を浮かせ、可動性と体重コントロールを得る足の使い方。

ブレイク1の立ち方で強調(第10回)。

組み手・グリップ

アンダーフックUnderhook

相手の脇の下に自分の腕を差し込む組み手。差した側が攻撃の主導権を握りやすい。

ハーフガード3大攻撃の中継点。ここから潜り・バックテイク・ダブルレッグに分岐。
▶ 動画で確認する
オーバーフックOverhook

相手の腕の上から抱え込む組み手。

「オーバーフックやから上を離しちゃダメ」——腕十字の起点(第22回)。
▶ 動画で確認する
ダブルアンダーDouble Under

両腕とも相手の下(脇や足の下)に通した組み手。

バックの固定で登場。逆に自分が許すと危険な形=「たすき」の警告も(第25回)。
フックHooks

バックコントロールで足の指・甲を相手の内腿に掛けて密着させるコントロール。

バックテイク後の固定で登場(第19回・第22回)。
ナックルKnuckle(拳)

手のひらでなく拳(ナックル)で押すこと。接地面が小さいぶん力が一点に伝わる。

ガードブレイク1の押し方として推奨(第12回)。グリップでは「小指を茎状突起(手首の骨)に付ける」。
たすき

相手にダブルアンダー等を許して斜めに抱えられた、許してはいけない形(文脈からの推定)。

第25回でボトム側への警告として登場。

道場の言葉・コンセプト

省エネ/ワンアクション

無駄な力を抜き、動作を最小限にすること。力むと消耗して動きも遅れる。

第9回の中心テーマ。「なんでそんな力入れてるんですか」は頻出の指摘。
一挙動いっきょどう

ひとつの動作を分割せず一息で行うこと。分割すると相手に対応の時間を与える。

第12回の縛りルール。では「一挙同通」「一挙同歩」に聞き間違い。
山を張るやまをはる

相手の反復パターン(ループ)を予測して、一点に全力を賭ける読みの戦術。

第8回で初指導。三角絞めを「山張りの本命」に。
戦術と戦略

その場の一手=戦術、試合(スパー)全体の設計=戦略、という区別。

第8回の座学。
ループ

相手の反応に応じて同じ連続攻撃に何度でも戻る循環システム。単発の技でなく「輪」で攻める。

「十字絞め→防がれたら腕十字/三角→また十字絞め」のような攻撃の輪。相手のループを読むのが「山張り」。
理合いりあい

技がなぜ効くのかという原理・力の道筋。手順の暗記でなく理合いで覚えると応用が利く。

「技は理合いが4つ繋がったもの」(第21回)。
長方形の中の長方形

ガードブレイクを説明するインストラクター独自の幾何モデル。内側の長方形(自分の体)を回して外枠(相手のガード)を壊す。

第10回の座学。
90度理論

腕十字は相手の腕に対して自分の体を90度にすると最も力が伝わる、という原理。

第10回で解説。
時計を見る

エスケープ時に顔と体を「時計のある側」=逃げる方向に向けるこの道場独自の合図(推定)。マウント方向を向くと押さえ込まれる。

第22回のエスケープ指導で頻出。
トレース

得意な側でできた感覚を、逆側にそのまま写し取る練習法。

第7回の左右両側練習で登場。
打ち込みうちこみ

技の入りを繰り返す反復練習。柔道由来の言葉。

「いろんな人相手に位置調整を身につけるためのもの」(第20回)。
国民健康保険

「全員が必ず持っておくべき基本技」の比喩。

マウントからの十字絞めがこう呼ばれた(第24回)。
ストライプStripe

柔術の帯に巻かれる昇級の印(白テープ)。同じ帯の中での進級段階を表す。

昇級の話題で登場(第16回)。
小さい目標とドーパミン

達成できる小さい目標を刻むと、達成のたびにドーパミンが出て習得が速くなる、という練習理論。

第12回の対話。「頭の覚え方→身体の覚え方」(第7回)とセットの習得論。